2007 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツフォトニック導波路の作製とテラヘルツコンポーネントへの応用
Project/Area Number |
18686056
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田邉 匡生 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (10333840)
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Keywords | テラヘルツ / フォトニック結晶 / GaP / 光導波路 / フォノン・ポラリトン |
Research Abstract |
テラヘルツ(THz)波発生のひとつとして、既に多様な光源が存在する近赤外領域における波長がわずかに異なる2種類の近赤外光を非線形光学結晶において光混合することにより、その周波数の差に相当する第3の光としてTHz波を発生させる方法がある。本研究はGaPを導波路に形づくることによりTHz波だけでなくフォノンも閉じ込め、周波数変換効率を高めるなどTHz波発生における機能性を高めることを目的としてきた。具体的には、下記の2項目を実施した。 (1) 「GaP結晶に対して数10〜数100μmというテラヘルツスケールのフォトニック構造(3次元)を形成できる加工技術の開発」 (2) 「フォトニック導波路構造を有するGaP結晶からのTHz波発生機構の解明」 半絶縁性GaP基板に対して数100ミクロンサイズの導波路構造をフォトリソグラフィーおよび前年度に構築した誘導結合型プラズマ反応性イオンエッチング(ICP-RIE)装置を用いて作製した。エッチングマスクとしKMPRフォトレジスト(数十μm)、エッチングガスとしてAr/Cl_2を用いた。コイル電源出力(周波数:13.56MHz)、バイアス電源出力(周波数:1MHz)およびプロセス真空度をそれぞれ100W、20〜30Wおよび〜4mTorrとしている。直径90μm、深さ200μmの空気円柱をはじめとする様々なフォトニック周期構造を形成した。プロセス条件を検討するために、プラズマの分光測定およびエッチングダメージ評価を行った。THz波発生の励起光源としては、Nd:YAGレーザおよび光パラメトリック発振器、クロムフォルステライトレーザを用いた。発生するTHz波の周波数位置はGaP導波路の実効的屈折率が構造により異なるため、それぞれの導波路構造に対応する位相整合条件に依存する。THz波発生出力はフォトニック導波路の透過特性を反映する。
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