2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18686057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 弘行 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60294021)
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Keywords | 超弾性 / 金属間化合物 / 転位 / 逆位相境界 / 形状記憶合金 / 電子顕微鏡 / Fe / A1 |
Research Abstract |
Fe_3AlならびにFe_3Gaでは、マルテンサイト変態に因らず転位の可逆運動を基調とする巨大な擬弾性(APB擬弾性)が発現する。本研究では、APB擬弾性発現時に応力-歪曲線に生じる巨大なヒステリシスを活かし、特にFe_3Alの制振材料としての開発を行っている。本年度は、まずFe_3AlならびにFe_3Ga単結晶を用いてその制振特性の発現機構について調査すると共に、集合組織制御ならびに第3元素添加によりFe_3Al多結晶の制振特性向上を図った。Fe_3Alの制振機構は歪振幅(ε)に強く依存し、ε≦10^<-4>程度で強磁性(磁壁移動)型、10^<-4>≦ε≦5×10^<-3>で転位型、ε≧5×10^<-3>でAPB擬弾性特有の制振挙動を示した。そこで、低εならびに高ε各領域での制振特性の改善を図った。まず、低εでは、3d遷移金属の添加が特性改善に有効なことを見出し、降伏応力1000MPaの超強力制振材料の開発に成功した。その強度、制振特性は、これまで達成されていなかった自動車起振源対策用制振材料としての要求を満足しているため、その実用化が期待される。一方、高εでは、圧延面//<111>(γファイバー)の方位成分に高配向した多結晶体について、APB擬弾性に由来する内部摩擦0.015の制振特性を達成すると共に、回復可能歪0.7%、最大応力1000MPaを実現した。なお、この性能は、1万回の交番応力を負荷しても維持される。さらに、集合組織の先鋭化を可能とする新たな圧延プロセスの開発も行い、先述したγファイバーへの配向度を高めることに成功した。
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Research Products
(9 results)