2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18686057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 弘行 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60294021)
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Keywords | 超弾性 / 金属間化合物 / 転位 / 逆位相境界 / 形状記憶合金 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
単結晶状態で良好な超弾性を示すFe-Al合金多結晶の集合組織を制御することで、多結晶であっても十分な超弾性特性が得られるかについて検討した。その方策として、本年度はFe-Al合金の凝固時に発達する柱状晶の長手方向をTD方向とする特殊な圧延を実施し、集合組織のさらなる制御を図った(柱状晶直角圧延)。その結果、同圧延方法を用いると、圧延面が{001}面とならないため、試料全体が均一に変形し、再結晶後の集合組織が先鋭化した。しかしながら、この集合組織の先鋭化は、Fe-Al多結晶の超弾性特性にそれほど大きな影響を及ぼさなかった。 一方、本課題の遂行中に発見した3d遷移金属添加Fe-Al系超強力制振材料について、さらに系統的に調査を行った。その結果、自動車振動源対策の制振材料の指標である降伏応力≧1000GPa、制振係数≧20%をいずれも満足する合金組成の探索に成功した。また、この開発合金は、10^<-4>程度の低振幅の振動に対して極めて有効であることが確認された。これら最適組成の合金について、TEMにて組織を観察したところ、bcc不規則相とDO_3型規則相からなるナノ2相組織が発達しており、このことが同合金の高強度・高減衰能に繋がる。ちなみに、このナノ2相組織は高温安定相であるB2相からの相分離により形成される。また、同合金の制振係数は磁場下にて著しく低下するとともに、制振係数と磁歪との間によい相関があったことから、磁壁移動型の内部摩擦が同合金の高減衰能の主因である。さらに、延性改善のために熱間加工による組織制御を行ったが、同合金は極めて脆く、加工度を稼げないため結晶粒径や集合組織を制御するには至らなかった。
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Research Products
(4 results)