2006 Fiscal Year Annual Research Report
方位・粒界・粒サイズを制御した太陽電池用バルク多結晶シリコンの成長技術の確立
Project/Area Number |
18686060
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 航三 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70332517)
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Keywords | 太陽電池 / 多結晶シリコン / 融液成長 / デンドライト / キャスト法 / その場観察 |
Research Abstract |
本研究では、キャスト成長法を用いて、方位・粒界・粒サイズを最適化した太陽電池用高品質バルク多結晶シリコンの成長技術を確立することを最終目的としている。目的のバルク多結晶シリコンを成長するための新規な結晶成長技術として、申請者らが発案した「デンドライト利用キャスト法」を用いることとした。本成長法では、一方向成長の初期過程にファセットデンドライト成長を効率的に発現させることが最重要であり、そのためにはファセットデンドライトの成長機構を理解する必要がある。そのためぐ本年度は、融液からの結晶成長過程のその場観察装置を導入した。本装置は、結晶核の形成位置を制御できる機構を有しており、また、融液の過冷却度を制御することができるため、シリコンのファセットデンドライト成長過程を直接観察することができる。本装置を用いた実験により、ファセットデンドライト中に存在する2本以上の平行な双晶の形成機構を明らかにした。また、ファセットデンドライト成長が発現するために必要な過冷却度を実験的に明らかにした。このような基礎研究で得られた知見に基づき、小型キャスト炉を用いて、バルク多結晶シリコンインゴットの成長を行った。本研究により作製されたインゴットから、太陽電池用ウエハーを切り出し評価した結果、5cm角ウエハーにおいて、ウエハー表面の結晶方位の80%が{112}面に揃っており、通常の多結晶インゴットに比べて、3倍以上結晶粒サイズが大きく、太陽電池特性に悪影響を及ぼすランダム粒界の密度が低減されていた。
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Research Products
(2 results)