2006 Fiscal Year Annual Research Report
回折光学素子の近接場光を用いたマイクロチップ用多機能ハイブリッド検出法の開発
Project/Area Number |
18686063
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
片山 建二 中央大学, 理工学部, 助教授 (00313007)
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Keywords | マイクロチップ / 分光計測 / 流量 / 光化学ダイナミクス / 微量分析 |
Research Abstract |
近年、数センチ角のガラスやポリマー中にミクロンサイズの液体の流路を形成し、物質の混合・反応・抽出などの操作を集積化して合成・分析の操作を行うマイクロ化学の分野が急速に進展してきた。試薬・廃液の低減、比界面積の向上による反応・抽出効率の増加、密閉空間での操作による安全性の確保などの効果がある。急速な進歩により、取り扱える化学操作の種類は増加してきているものの、マイクロサイズにみあう、定性・定量する検出器や流体の主要パラメータである流速や圧力の検出技術が今後の開発課題である。そこで、本研究課題では、近年開発した近接場ヘテロダイン格子(NF-HDG)法を用いて、共通のプラットホームで物質の定量・定性・流速測定・反応ダイナミクス測定など用途に応じてさまざまな化学情報を得られる分光法を開発している。 初年度は、NF-HDG法をマイクロチップに適用した際の原理検証を第一に行った。この分光法にはタルボット効果、ヘテロダイン検出といった計測上重要な要素が含まれ、それらをマイクロチップ測定用に最適化することで1-2桁の信号増強に成功した。これをもとに濃度・流速計測に適用した。濃度計測においては、吸光度1×10(-4)程度まで測定可能であった。流速計測においては、最小流量17nL/minという世界最小量の計測に成功し、また10-10000nL/minという広い範囲の流速測定が可能であることが示された。初年度開発予定であった分光スペクトル計測については、多色レーザー光を使って開発中である。一方、次年度開発予定であった時間分解分光測定装置については、すでに開発され、フェムト秒から秒スケールの化学反応ダイナミクス計測が可能であることを示した。全体として初年度だけで、2年目までの予定がほぼ終了し、予定よりも早いペースでプロジェクトが進行している。
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Research Products
(5 results)