2008 Fiscal Year Annual Research Report
回折光学素子の近接場光を用いたマイクロチップ用多機能ハイブリッド検出法の開発
Project/Area Number |
18686063
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
片山 建二 Chuo University, 理工学部, 准教授 (00313007)
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Keywords | 光化学反応ダイナミクス / マイクロチップ / 光触媒反応 / 金ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究課題では、昨年度・一昨年度においてマイクロ流路内において計測可能なさまざまな分光計測法を開発してきた。その中で、(1)流路内の化学物質の濃度、(2)液体の流速、(3)反応の励起状態や中間状態のダイナミクスなどを測定できる手法を開発してきた。今年度は、それらの開発してきた手法を用いて、実際にマイクロ流路内でおこる化学反応をモニタリングし、反応解析を行った。具体的に取り組んだ反応は光触媒反応と光還元金ナノ粒子生成反応である。前者の反応においては、反応における初期過程をダイナミクス計測法を用いて測定することにより、世界で初めてin-situに反応の起因となる活性酸素種の応答を計測することに成功した。検出された活性酸素種はスーパーオキサイドアニオン、水酸化ラジカルなどであり、これまで添加試薬等ない条件で検出されたことはない。さらに、マイクロ流路内を酸化チタンコーティングした流路内で光触媒反応をモニタリングすることで、典型的な色素の分解反応には、3段階のプロセスがあることを見出した。また、溶媒に対する依存性から、異なる活性種が光触媒反応に寄与していることを見出した。後者の反応においては、光還元において、保護剤の重要な役割を見出した。従来、保護剤はナノ粒子を凝集させないよう保護させるものと考えられていたが、本研究で、イオン種の還元反応を促進したり、イオン種と錯形成した状態からナノ粒子が生成されていること、さらにナノ粒子生成のためにはそのイオン種と保護剤とのモル比が重要であることを初めて見出した。
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