2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規分子の効率的探索と選択生産のための分子進化工学
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18686066
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
梅野 太輔 Chiba University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00400812)
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Keywords | 進化分子工学 / 二次代謝生産 / 生物工学 / 代謝工学 / カロテノイド / 化合物空間 / 天然色素 / 非天然分子 |
Research Abstract |
本研究では、蛋白質進化工学の手法をもちいて、沢山の新規分子、新規機能を創りだすこと、それらの新しい生合成経路を実験室内で高速進化させ、「それそのもの」だけを選択的に生産する生物機能の創出を目指している。自然界が未探索な化合物空間の効率的な探索法を模索するのが目的である。 本年度は、カロテノイド合成遺伝子の進化実験で数多くの成果を得た。 1.さまざまな大腸菌株において、力ロテノイド類の合成経路を確立した。前駆体となるファルネシルニリン酸の合成経路(上流経路)遺伝子をさまざまな株の中で共発現させ、色スクリーニングに最適な培養/生産条件を決定した。本申請予算にて購入したマルチウエルプレートリーダーを用いた、八イスループット色素抽出/分析系も完成した。更に、フリーウエアの画像解析ソフトウエアを用いた、カラースクリーニング系も確立した。 2.昨年度作製したN末端とC末端を削ったヒトスクアレン合成酵素の遺伝子にランダムな変異を入れたライブラリを作製した。非天然な骨格をもつ力ロテノイドの合成機能に対してスクリーニングし,数多くの「サイズ変異体」を得た。 3.得た変異体のアミノ酸変異の解析を行った。ここで得られたKey Residuesの総置換解析から,(1)いくつもの道筋でこれらの酵素は新機能を獲得できること,(2)力ロテノイド合成のサイズ選択性は反応後半を担当する部位が担っていることが,わかった。スクアレンとカロテノイドの創り分けについてもかなり多くの知見を得た。 4.C30カロテノイドCrtMのサイズ変異体を作製した。これは上で得たSqSのサイズ変異体と「かけあわせ」,更に異なるテルペン活性を拾いだすことを目標としている。これは平成20年度の課題である。
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