2006 Fiscal Year Annual Research Report
翼の剛性制御と境界層制御機能を有するスマート翼振動方式水中推進器の研究開発
Project/Area Number |
18686070
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
和田 大志 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (60359700)
|
Keywords | アクチュエータ / インテリジェント材料 / ヒレ推進 / センサー / 知能構造 / PIV / バイオメカニズム / 流れの可視化 |
Research Abstract |
イルカの遊泳速度は非常に高いが流体力学的にまだ未解明な部分が多いことが知られている。そこで、実際のイルカのヒレの形状を有するヒレ(水中翼)を製作し実験に供した。弾性体ならびに剛体で作製した水中翼(ヒレ)をピッチングならびにヒービング運動させ、その最大推進力を得るために、振動数、振幅等を変化させて調査した。まず、本研究に最適な推進実験用回流水槽を設計し導入し、ヒレ周囲の流場を可視化するため、CW連続レーザー、高速度カメラ、解析ソフトウエア等からなるPIVの装置を設置した。これにより、リアルタイムでパソコン画面で流場観察が可能であり、ヒレ周囲の流速分布や渦度分布などの解析も可能な装置を作成した。また、多様なヒレの動きはデジタル制御によりステッピングモーターを動力源として実現した。第1年度である昨年度の成果としては、平板断面形状よりも翼形状(NACA0021)の方が、そして剛体よりも弾性体の方が、多くの状況(各種振幅・振動数・流速)で、一般的にはより大きな推力を発する結果を得たが、同時にそれは振幅・振動数・流速等に依存し複雑な変化を示すことも分かった。最も簡単には、翼の推力(揚力)は、翼周囲の渦度Γに比例するから、翼伴流に対の逆カルマン渦列を生じせしめることが重要と言え、実験結果からその考え方の妥当性が証明できた。また、ヒービング運動させた場合には、推力は、翼のピッチング角度には余り依存せず、ヒービング運動に大きく依存することが分かった。さらに翼の推進力を高め実用化を目指すため、翼表面に貼ったピエゾ素子を高速振動させるなどにより、流体抵抗の低減や剥離の阻止といったインテリジェント化を進めることにより、さらなる成果が期待できることが分かった。イルカのヒレの場合、その3次元形状が、剥離渦による流体抵抗を低減させる効果があることが分かった。
|
Research Products
(1 results)