2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18686072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関根 孝太郎 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (70361194)
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Keywords | 資源開発工学 / 大深度地下 / 地殻応力測定 |
Research Abstract |
岩石中には,ほぼ普遍的に流体を含む数〜数十マイクロ程度の空隙が内包されている.これは流体包有物と称され,捕獲された流体の温度・組成分析から鉱物の晶出した温度場や鉱物の生成時に周囲に存在していた流体の組成を把握する手段として広く応用されてきた.流体包有物の温度測定は,顕微鏡下にて包有物を加熱し,液相と気相が-相になる均質化温度を測定するが,さらに昇温し続けると包有物内の水圧の上昇により,包有物内水圧による包有物の破壊が生じる.これをデクレピテーションというが,本研究ではこのデクレピテーションを利用して,包有物周りの応力場を評価することを目的としている.これを本研究ではデクレピテーション応力評価法を称する. デクレピテーション応力評価法の確立のためには,既知の応力場にある包有物を加熱,デクレピテーションさせ,その挙動評価からデクレピテーションの応力場依存性について把握する必要がある.すなわち与えた応力場の大きさ・方向とデクレピテーション発生時の包有物内水圧,そしてデクレピテーションによって発生した微小き裂の方位について相関を図る必要がある. そこで,研究初年度である18年度においては,5x5xO.2mmの岩石薄片に任意の平面応力を与えながら,600□まで加熱可能な裁荷ユニット付き加熱ステージの作成を行った.加熱部は,熱セルからの熱伝導により,薄片試料を加熱するリンカム社製加熱冷却ステージ10035を流用し,取り出した熱セルに別途用意したX-Y裁荷ユニットを組み合わせることによって製作した.裁荷ユニットはばね弾性を利用したものであり,最大2kgfまでの加圧が可能である.
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