2007 Fiscal Year Annual Research Report
流体包有物の新展開 -デクレピテーション応力評価法-
Project/Area Number |
18686072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関根 孝太郎 Tohoku University, 流体科学研究所, 助教 (70361194)
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Keywords | 資源開発工学 / 大深度地下 / 地殻応力測定 |
Research Abstract |
外力が作用している試験片中の流体包有物のデクレピテーションをその場観察するために,裁荷ユニット付き加熱ステージおよびトランスジューサユニットを開発した.与えた外力によって発生する試験片中の応力場分布を把握するため,鉱物(石英)の光弾性を用いる手法について検討した.偏光顕微鏡下にてベレックコンペンセーターを用いた複屈折率測定より求めた応力の大きさとステージによって与えた外力の大きさを比較したところ,両者は調和的であった.また,偏光顕微鏡クロスクニコル観察による干渉色分布により,発生した応力の主軸方位分布を評価できることを確認した. デクレピテーションの応力依存性を評価するため,ブラジル水晶中の液相包有物のデクレピテーション実験を実施した.水晶の結晶軸に対して,異なる法線方向を有する数種類の薄片を作成した.薄片を岩石カッターおよび平面研削盤を用いて5×5×0.2mmに整形することで試験片とした.試験片の厚み方向にプッシュバーを用いて外力を作用させ,試験片に1軸もしくは2軸の平面応力を発生させた.同時に加熱することでデクレピテーション実験を実施した.発生するデクレピテーションき裂は,応力にも依存するが,同時に石英の結晶異方性にも支配され,c軸に平行なき裂が発生するケースが多い.例えば,最大主応力の方向がc軸を含む面内にある場合,発生するき裂は,c軸に平行かつ最大主応力方向に伸展することが明らかとなった.
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