2007 Fiscal Year Annual Research Report
先進ドップラー反射計を用いた周辺部輸送障壁における径電場分布計測法の開発
Project/Area Number |
18686076
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大山 直幸 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (80354596)
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Keywords | プラズマ・核融合 / プラズマ診断 |
Research Abstract |
本年度は、開発したミリ波回路部を既設のコルゲート導波管に接続するためのアダプターを導入し、ドップラー反射計システムの開発を完了した。周波数掃引速度・S/N比・データ収集速度等の基本的な性能が設計通りであることを確認した後、JT-60における密度揺動計測を開始した。昨年度の知見をもとに計測に最適になるようプラズマ形状や位置を調整した結果、鏡面反射成分を除外し、ブラッグ条件を満たす密度揺動により散乱された電磁波のみを計測することができた。プラズマ中の屈折を考慮するため光線追跡コードを利用して評価した結果、プラズマ周辺部で観測された信号は電子反磁性ドリフト方向に回転する密度揺動により散乱されたものであること、観測されたドップラーシフトに対応するのは負の径電場であり従来の観測結果と矛盾しないこと、を明らかにした。 ドップラー反射計システムは既設の周波数固定型のミリ波反射計と組み合わせて使用することで電子密度揺動の相関計測を行うことが原理的に可能である。周波数の掃引幅を調節し、相関反射計として内部輸送障壁の計測に適用した。プラズマ内部に輸送障壁を持つ放電に電子サイクロトロン共鳴加熱を行った際に輸送障壁が劣化する現象がこれまで観測されているが、相関計測の結果、内部輸送障壁内部において密度揺動の相関長が大きくなっていることを始めて見出した。 これらの研究成果から、当初予定していたELM特性の変化と径電場分布構造の関係のみならず、内部輸送障壁の性能と電子密度揺動の径方向相関の関係にも着目した研究の進展が期待される。
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