2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18686901
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土谷 博昭 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (50432513)
|
Keywords | アノード酸化 / 酸化チタン / ナノチューブ / 貴金属担持 / 窒素ドーピング |
Research Abstract |
貴金属担持では前年度パラジウムを用いて確立した手法を用い、光媒体特性を向上させる白金担持をアノード酸化により作製した酸化チタンナノチューブ上へ行うと、分散担持せずチューブ径より大きな析出物が生成するだけであった。そこで溶液にアンモニアを加えpH、白金イオンの価数を制御することで、白金ナノ微粒子を分散担持することができることが分かった。さらに白金を担持することで酸化チタンナノチューブの光応答性が向上することが明らかとなった。 アノード酸化チタンナノチューブに、アンモニア中で熱処理を行うことで可視光応答性を付与することに成功したが、一方で腐食性のアンモニアガスを使用するため基板を損傷する、後のハイブリッドプロセスに影響を及ぼすことが問題であった。そこで腐食性ガスを使用しない新たな窒素ドーブ方の探索を行った。その結果、アノード酸化に用いるTi基板に予め窒素を含有させ、それをアノード酸化する方法を見出した。アーク溶解によりTi-N合金を作製しアノード酸化することで窒素ドーブされた酸化チタン層が形成し可視光応答性を得ることが出来たが、アーク溶解により作製したTi-N合金の組織が不均一なために形成したナノチューブ層の形態には場所による不均一性が確認された。この形態の不均一性は合金組織の均一性を向上させることにより改善され、また、この手法は後のハイブリッドプロセスに影響を及ぼさないため、本手法は新規窒素ドーブ手法として期待されうるといえる。 実用を目指した研究として、酸化チタンナノチューブ層の形成を大面積の基板へ行うこと、ナノチューブ層形成時間の短縮に関する検討を行った。その結果、基板の縁近傍はエッジ効果が見られるものの、それ以外の箇所ではある程度均一なナノチューブ層が形成できることが明らかとなった。また溶液に加えるフッ化物の種類を変えることでナノチューブ形成時間の大幅な短縮に成功した。
|
Research Products
(11 results)