2007 Fiscal Year Annual Research Report
2光子励起マーキングによる染色体形態構築ダイナミズムの研究
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18687005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松永 幸大 Osaka University, 大学院・工学研究科, 講師 (40323448)
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Keywords | 染色体 / 顕微鏡 / タンパク質 |
Research Abstract |
平成19年度は、ヒト子宮頸ガン細胞HeLaとタバコ培養細胞BY-2を研究材料に用いて、2光子励起マーキングによる染色体形態構築ダイナミズムの研究を実施した。その結果、染色体形態構築メカニズムに関与する染色体タンパク質の動態をライブセルイメージングにより明らかにした。特に、ヌクレオリン、H1X、ASURA、フィブリラリンの4種類の染色体周縁タンパク質がヒト染色体の染色体形態構築ダイナミズムに関与することを明らかにしたことは意義深い。また、RNAi法によりタンパク質発現をノックダウンした細胞の染色体ダイナミズムを詳細に比較解析することが出来た点は、大きな成果となり、染色体形態構築メカニズムの一端を明らかにすることが出来た。これらのタンパク質の解析結果をRNAi法や免疫染色法による機能解析結果と合わせて、Journal of Cell Science、FEBS Letters,Current Biology,BBRCに掲載して国際的に高い評価を得た。また、染色体形態構築ダイナミズムに関与する植物オーロラキナーゼの機能解析をライブセルイメージングで進めた。染色体動原体タンパク質CENP-AとピストンH2Bを異なる蛍光タンパク質でマーキングした細胞ラインを構築して詳細に動態解析を実施した。特に、オーロラキナーゼのATP結合部位に特異的に結合して活性を低下させる薬剤ヘスペラジンを使用した機能解析は成果を挙げることができた。その結果、植物オーロラキナーゼは、染色体整列、染色体分配などに関与していることを明らかにした。以上の結果により、本課題の研究目的を達成して、染色体形態構築ダイナミズムをタンパク質の機能から明らかにする研究成果を得ることができた。
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