2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18687008
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
深田 正紀 National Institute for Physiological Sciences, 細胞器官研究系, 教授 (00335027)
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Keywords | 脂質修飾 / パルミトイル化 / 酵素 / シナプス / 細胞内情報伝達 / 蛋白質膜輸送 / 質量分析 / グルタミン酸受容体 |
Research Abstract |
パルミトイル化脂質修飾はシナプス蛋白質PSD-95やシグナル伝達酵素eNOSなどの機能蛋白質にみられる可逆的な脂質修飾であり、蛋白質の動態や機能を制御する。最近、私共はパルミトイル化修飾酵素をゲノムワイドに探索し、全てのパルミトイル化酵素を同定した。本研究ではこの新規酵素群の活性制御機構を明らかにすることを目的とする。 昨年度は共同研究者Sessa博士(Yale大学)らと共にeNOSパルミトイル化酵素(DHHC21)の活性がCa^<2+>シグナルの下流で制御されていることを報告した(Fernandez-Hernandoら、JCB 2006)。今年度はPSD-95のパルミトイル化レベルが神経活動によりどのように制御されているかを明らかにするために、ABE(Acyl-Biotin-Exchange)法と全反射顕微鏡用いてパルミトイル化修飾を受けたPSD-95の量の変動を検討した。海馬初代培養神経細胞をグルタミン酸受容体の阻害剤で処理したところ、PSD-95のパルミトイル化レベルは著しく増加した。この増加はPSD-95パルミトイル化酵素群(DHHC2,3,7,15)の中でもDHHC2を介していることがノックダウン法により明らかになった。さらに、DHHC2の活性制御蛋白質を探索する目的でDHHC2に結合する蛋白質を独自の生化学的手法により精製した。今後、これら蛋白質を質量分析法にて同定し、P-PATの活性制御機構を明らかにしていく。 また、多くの国際共同研究にてすでに30種類近くの基質に対し責任酵素をスクリーニングしている。これらの結果より未だ明らかになっていないパルミトイル化酵素の認識配列を決定したいと考えている。このように、今年度の研究計画は達成できたと考えている。
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Research Products
(17 results)