2007 Fiscal Year Annual Research Report
頭部形成及び脳領域化におけるDVE/AVE及びADEの機能解明
Project/Area Number |
18687015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 正道 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 助教 (70423150)
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Keywords | 遠位臓側内胚葉 / Bmpシグナル / Activin / Noda1シグナル |
Research Abstract |
遠位臓側内胚葉(以下DVE)の形成には、これまでBMPシグナルの消失とNodal/Activinシグナルの増加が働いていると示してきた。しかし、BMPシグナルが消失しているBMP受容体タイプ2型(BMPR2)欠損マウス(宮園浩平博士より供与)、BMPR2とActivin受容体タイプ2b型との二重変異マウスではDVEが消失する。この一見矛盾に見える結果の原因がprimitive endodermからVisceral endoderm (extraembryonic visceral endoderm)を経てembryonic visceral endoderm への分化にBMPシグナルが必須であるためであることを明らかにした。また、これまで胚体外外胚葉からシグナルが出ており(以下ExEシグナル)、これがDVE形成を抑制していることが報告されていた。これまで我々はDVE形成時にBMPシグナルが消失していること・BMP4やBMP8bなどが胚体外外胚葉で発現していること・BMP活性を有するKSRがDVE形成を抑制していることを示していた。これよりExEシグナルはBMPシグナルではないかと推測されたので、これを証明するためDVEを異所形成する実験系でBMPシグナルを経時的に観察、また移植実験を行うことによりBMPシグナルがDVE形成を抑制することを明らかにし、これまで謎であったExEシグナルの正体であることも明らかにした。 また、DVE細胞の挙動を観察するため、DVE細胞特異的に発現する遺伝子座にGFP,CFP,DsRedを挿入したトランスジェニックマウスを作製し、これを用いてタイムラプス観察を共焦点レーザー顕微鏡で行っている。この結果よりDVE細胞は受動的な移動だけではなく能動的な移動を行っている事が示唆された。そこで、現在はこの挙動を制御する因子同定を行っている。
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