2007 Fiscal Year Annual Research Report
SPIMを用いた左右性決定機構の解明と細胞移動4Dマップ構築
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18687902
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
野中 茂紀 National Institute for Basic Biology, 時空間制御研究室, 准教授 (90435529)
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Keywords | 発生・分化 / 細胞・組織 / 共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
今年度は、マウス胚全体を細胞レベルで4Dイメージングするための鍵となる、EMBLのErnst Stelzer博士らが開発したライトシート型顕微鏡DSLM(digital scanned light-sheet microscope)を導入した。この顕微鏡の特徴は励起光の照射と蛍光の検出を別々のレンズを用いることである。なお一般の蛍光顕微鏡は同一の対物レンズを用いる。DSLMでは、励起光として細いビームを細かく振動させながら試料に入れる。そして、ビームの運動が作り出す面と直角に配置した検出用レンズから画像を撮ることで、文字通りの光学切片(XY画像)を得ることができる。さらに試料を検出系レンズの方向(Z方向)に動かすことで3次元画像を得ることができる。 DSLMは3次元画像取得という目的では共焦点顕微鏡と同じだが、それと比較して、1)点の走査ではなくCCDで2次元画像を一度に撮れるため高速である(ビデオレートで画像取得可)、2)観察しない部分には励起光が当たらないため褪色や光毒性の問題が最小限に抑えられる、3)はるかに深い場所の像を得られるため大きな試料を切らずに丸ごと扱える、などの特徴を有する。特に大きな試料のライブイメージングを必要とする発生学分野では強力なツールになると期待される。 経過としては、平成19年8月20〜26日にかけてStelzer研究室を訪問し、主に大学院生のPhillip KellerからDSLMの組み立て・調整・使用方法について指導を受けた。その後、組み立てに用いた部品を送ってもらい、当研究室にて再度組み上げて12月より画像が得られるようになったところである。現在はより鮮明な画像を得るための調整を行いつつ、マウス胚をチャンバー内で培養できるように装置を改造している。また、得られた画像を処理するためのコンピュータ環境を整備しているところである
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Research Products
(1 results)