2008 Fiscal Year Annual Research Report
SPIMを用いた左右性決定機構の解明と細胞移動4Dマップ構築
Project/Area Number |
18687902
|
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
野中 茂紀 National Institute for Basic Biology, 時空間制御研究室, 准教授 (90435529)
|
Keywords | 発生・文化 / 細胞・組織 / 共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
哺乳類胚発生における左右性の決定機構の解明と、さらに広くマウス初期発生その他発生学の研究一般への応用を目指して、欧州分子生物学研究所(EMBL)が開発したライトシート型顕微鏡SPIMの改良版であるDSLM(Digital Scanned Light-sheet Microscope)を、開発者のErnst Stelzer博士らの協力の下導入した。 昨年度までにDSLMの光学系の導入をほぼ完了し画像は取得できるようになったが、一方で膨大な画像データを扱うには通常のPCでは力不足であることがわかったため、今年度は画像処理用の高スペックPC導入など画像処理系の構築を行った。 また、DSLMは試料をアガロースゲル中に包埋する仕様のため、マウス胚のライブイメージングにはそのまま使うこと, ができない。マウス胚は常に新しい培養液に触れていなければ育たないからである。そこで、アガロースを使わず胚の一部を穴にはめこんで試料ホルダーに固定する方法および試料チャンバーを37℃、5%CO_2環境に保つ方法を開発し、さらに基生研の藤森俊彦博士から供与を受けたH2B-GFPトランスジェニックマウス胚を用い、6.5日胚全体の一細胞レベルの鮮明な光学断面像を得ることに成功した。原腸陥入にともない原条から外胚葉・内胚葉間に中胚葉が入り込んでいく様子、外胚葉細胞がエレベータ運動する様子を動画としてはじめて可視化できた。 所期の目的である左右性の解析、マウス初期胚全体の細胞分裂・移動を網羅的に調べた4D(3次元+時間)マップの構築については、顕微鏡導入のスケジュールが遅れたことで残念ながら期間内に完了することができなかった。現状は技術的基盤が完成した段階にある。それぞれ、この装置を使った細胞内カルシウム測定と繊毛の動かないiv変異マウスを使った解析、得られた画像のsegmentationとtrackingを行うことにより達成できる見込みである。
|
Research Products
(6 results)