2007 Fiscal Year Annual Research Report
SuperSAGE法による耐冷性イネ育種のためのプロモーターとDNAマーカー探索
Project/Area Number |
18688001
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Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
松村 英生 Iwate Biotechnology Research Center, 生命科学研究部, 主任研究員 (40390885)
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Keywords | イネ / 耐冷性 / 花粉 / 遺伝子発現解析 / SuperSAGE |
Research Abstract |
イネ栽培過程において最も強く低温による障害をうける出穂前の葯および花粉におけるSuperSAGE法を用いた網羅的な遺伝子発現解析を試みた。耐冷性の強い品種ひとめぼれの穂ばらみ期の植物体を各々28℃および15℃で1日間処理し、その葯を凍結切片作成用に固定、包埋した。各試料の凍結切片から葯組織、花粉を各々レーザーマイクロダイセクション装置を用いて単離し、RNA抽出を行い、さらに増幅処理を行ったRNAを用いてSuperSAGE解析を行った。昨年度の予備試験により454 life science社の大量並列解析DNAシークエンサーを利用する事により安価に大量のタグ配列データを得られるため、本試料でもこの方法を用いて解析した。その結果、非低温処理花粉で140,072タグ、低温処理花粉で137,212タグ、低温処理の葯壁組織で151,864タグを解析する事ができた。これらのデータ中には各々40,000種類のタグ配列が含まれており恐らく花粉および葯壁で発現している全ての遺伝子をモニターしていると予測できる。これらのSuperSAGEデータから花粉と葯壁で発現量に差のある遺伝子を20種類ほど選びRT-PCRで発現様式を確認した結果、ほとんどの遺伝子でSuperSAGE解析と同様な結果が得られた。現在、花粉特異的発現遺伝子、低温応答性発現遺伝子のプロモータ領域単離を進めており、レポーター遺伝子との結合による形質転換イネの作出によりプロモーター活性および特異性を確認する予定である。さらに来年度は上記の遺伝子発現情報と耐冷性の異なるイネ品種のゲノム配列多型情報を組み合わせて耐冷性に連関した遺伝子多型あるいは遺伝子本体を見出して耐冷性DNAマーカー化する予定である。
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