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2006 Fiscal Year Annual Research Report

細胞構造をマイクロリアクターとして利用した、木材の熱分解ガスの気相成長炭素材料化

Research Project

Project/Area Number 18688008
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

斎藤 幸恵  東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (30301120)

Keywords化学加工 / カーボン材料
Research Abstract

本研究の構想は、木材の炭化過程で発生するガスに含まれる炭素を、細胞内腔で固体として沈着させ、高い構造規則性をもつ炭素材料を創製するものである。木材細胞が、その際に不可欠な装置として働く、即ち、(1)原料ガスの発生源として、(2)内腔に炭素ガスを蓄え過飽和状態に至らしめ沈着させるための、マイクロリアクタとして、二重の役割を担うのではないかと考えた。
具体的には、(1)木材の炭化過程におけるガス発生のプロセス、(2)マイクロリアクタとしての機能発現に求められる細胞の特性、の2つを明らかにすることを目的とした。最終的には、(1)炭素を沈着させる基材の種類、(2)ガス化触媒の種類、(3)マイクロリアクタ機能に合致した処理温度プログラム、の3者を組み合わせることで、発生ガスの成分・量・沈着過程を制御して、気相成長物質の炭素構造・形状・サイズ・収率を自在に設計できるようになることをめざす。
本年度は、熱分解ガスの気相成長炭素材料化で、細胞構造がマイクロリアクタとしてどのように機能しているのかを明らかにすることを目指した。高温炉内、細胞内部という条件であり直接的なガス濃度の計測という手段が取れないため、ウイスカ作製条件やウイスカを生成させる種類の細胞を変えて、生成したウイスカの構造、大きさ、量の違いがどのように異なるかを解析することで、木材の細胞構造が果たす役割について考察した。実験結果から、異なる形状を持つ細胞の内腔でガスの濃度条件が異なり、それがウイスカの個々の体積、個数密度値、収率値を支配していることがわかった。スパイラル転位によるらせん成長で生成するウイスカの場合、細胞の種類により内部にできるウイスカ先端の形状が異なることが、この結果を支持していた。マイクロサイズの細胞が、熱分解ガスを溜め込んでウイスカ成長に必要な過飽和に至らしめる、反応容器としての役割を果すことが示された。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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