2006 Fiscal Year Annual Research Report
セロオリゴ糖からなる外部環境応答性ナノ粒子の構築と動的機能制御
Project/Area Number |
18688009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 助手 (10293911)
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Keywords | セロオリゴ糖 / ナノ粒子 / メチルセルロース |
Research Abstract |
セロオリゴ糖からなる外部環境応答性ナノ粒子の構築に向け、基本的な化合物の合成、形態観察法の確立を計画した。さらに、動的機能制御に向けた重要な要素である熱応答性についてデータの収集を計画した。 AB型ブロックコオリゴマーが両親媒性を示すことは既に報告している。本年度は、ABA, BAB型トリブロックコオリゴマーの種々のグリコシルドナー、アクセプターを組み合わせたグリコシル化を行った。その結果、ABA, BAB型トリブロックコオリゴマーの合成ルートを最適化することができた。 次いで、AB型ブロックコオリゴマー混合物の水溶液の透過型電子顕微鏡観察を行ったところ、100nmサイズの粒子状構造体が生成していることが判明した。静的、および動的光散乱実験により得られた結果は、電子顕微鏡観察結果と矛盾しなかった。 さらに、混合物でない、単分散なAB型ブロックコオリゴマーの界面活性能を、市販のメチルセルロース、AB型ブロックコオリゴマー混合物のそれと比較したところ、単分散な、すなわち純粋なAB型ブロックコオリゴマー(5,6,3量体)が高い界面活性能を示すことを見出した。すなわち本研究結果は、化学構造の明確で規則的な構造を有するセロオリゴ糖誘導体の実験データを元にすれば、市販のセルロース誘導体を現在以上に高機能化できる可能性を示しており意義深い。 現在、本年度購入した示差走査熱量分析装置を用いて、ABブロック型メチル化セロオリゴ糖誘導体水溶液の熱挙動について、熱可逆的ゲル化が知られている市販のメチルセルロースのそれと比較し検討している。
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Research Products
(1 results)