2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域環境におけるコロイド成分の凝集分散ダイナミックスの解明に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
18688013
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小林 幹佳 Iwate University, 農学部, 准教授 (20400179)
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Keywords | 農業工学 / 水圏現象 / 土壌圏現象 / 輸送現象 / コロイド / 凝集 / 分散 / 沈着 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域環境におけるコロイド成分の凝集分散ダイナミックスの解明に必要となる解析および実験手法の確立を目指すことである。この目的のため、輸送条件の明確な条件下において、十分にキャラクタリゼーションされた標準コロイドについて凝集分散実験を行い、実験結果を拡散電気二重層理論によって解析した。本年度の研究により得られた知見は以下の通りである。 1.コロイド粒子の表面電位のキャラクタライズ法を検討することを目的として,一定の表面電荷密度を持つラテックス粒子の電気泳動移動度を,塩濃度と塩の種類を変化させて測定し,その結果を理論的に解析した。その結果,2価のイオンが存在する系においても理論的予測と実験値は良好な一致を示すことが分かった。 2.撹絆乱流場において異符号に帯電した粒子間の凝集速度を測定した。得られた凝集の捕捉効率は塩濃度が低いほど高く、塩濃度が上がるにつれて電気二重層力のない場合の一定値に近付いた。実験値は軌道理論による予測と定性的に一致したものの,定量的にはズレが見られた。実質的な表面電位の値を推定する必要性が示唆された。 3.流れ場において存在しうる最終的な凝集体径を決定する上で重要な凝集体(フロック)の破壊に要する力を,オリフィス収縮流によるラテックスフロックの分散実験から推定した。この系で得られたラテックスフロックの破壊力は,コロイドプローブ型原子間力顕微鏡による直接測定の結果から得られたラテックス粒子間の付着力と同程度であった。撹拌場により形成されたフロックでは接点数の増加による破壊に対する抵抗力の増加が示唆された。
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Research Products
(6 results)