2007 Fiscal Year Annual Research Report
農業生産基盤への被害の種類を考慮した水災害リスク評価モデルの開発
Project/Area Number |
18688014
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
桐 博英 National Agricultural Research Organization, 農村工学研究所・農村総合研究部, 主任研究員 (60360385)
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Keywords | 高潮 / 氾濫モデル / 沿岸農地 |
Research Abstract |
沿岸農地に整備された農業水利施設は,水災害時には排水機能を担うことから,それらの維持・管理は重要である.本研究では,水災害を対象とした農地の防災対策の計画を支援することを目的とした「水災害リスク予測モデル」を開発するため,湛水被害,塩害,水利施設の破損および土砂流入の4種類の被害を推定するモデルを構築する.これらの被害のうち,18年度に「排水路からの越水モデル」および「土砂流入箇所推定モデル」を構築しており,19年度は「水路破損モデル」および「塩害域測定モデル」の構築を行った. 水路被害モデルでは,一次元不定流モデルにより解析を行い,流速を指標にして水路破壊部分を推定する.本モデルでは,災害時の水路流れを解析するが,厳しい条件でも解析できることが求められることから,CIP法を導入し,常流・射流が混在する流れでも解析できるようモデルの改良を図り,水理模型実験の結果との比較を行った. 一方,塩害域推定モデルでは,海域の解析精度を高めるため,シグマ指標モデルを構築するとともに,水温,塩分の拡散モデルを導入したモデルを開発し,有明海の海象の再現に着手した.なお,水路破損モデル,塩害域推定モデルとも,流れの解析部分には従来から用いられている一次要素による有限要素解析モデルを用いていた.しかし,このモデルは数値安定性が低いことから,MINI要素を導入したモデルへと全面的に更新することで,解析精度および安定性の向上を図った.
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