2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しい抗原虫戦略を目指した原虫プロテインキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
18688017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 健太郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (30401178)
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Keywords | 原虫 / プロテインキナーゼ / 酵素 / リン酸化 |
Research Abstract |
原虫感染症は畜産・獣医学領域のみならず、医学領域においても甚大な被害を与え、さらに現在我が国の食に対する危機感の原因の一端をなしている。本研究では、原虫のアピコンプレックス類において保存されているプロテインキナーゼに焦点を当て、その機能発現機構を基質、会合分子との相互作用の点から解析することにより、新たな抗原虫薬開発へとつながる原虫の遺伝子発現機構、シグナル伝達機構の根本的な解明、また、開発に有用な基礎的データを蓄積することを目的とし、本年度は以下の研究成果を得た。 (1)従来その特異な塩基配列より発現・精製が困難とされてきた原虫プロテインキナーゼについて、小麦胚芽無細胞蛋白質合成系を用いてGST融合蛋白質の形で発現・精製に成功し、また、その系の確立を行った。 (2)精製した原虫プロテインキナーゼを用いてin vitro kinase assayを行ったところ、[γ-^<32>P]ATPによって標識された。さらに、脱リン酸化処理によってその標識が除去されたことから、同蛋白に自己リン酸化能があることを見出した。 (3)原虫プロテインキナーゼのキナーゼ活性部位のリジン残基をアラニン残基に置換した変異体を作製し、キナーゼ活性が欠損することをin vitro kinase assayにて確認した。これによりキナーゼ活性部位の同定に成功した。 (4)原虫プロテインキナーゼはin vitroにおいて代表的な基質であるhistoneをリン酸化したことから、自己リン酸化とともに他の基質をリン酸化する能力があることが明らかになった。
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