2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい抗原虫戦略を目指した原虫プロテインキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
18688017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 健太郎 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (30401178)
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Keywords | 原虫 / プロテインキナーゼ / 酵素 / リン酸化 |
Research Abstract |
トキソプラズマ、マラリア原虫のプロテインキナーゼについて機能解析を行い、本年度は以下の研究成果を得た。 (1) トキソプラズマ原虫プロテインキナーゼ (1) TgCDPKif3 (Toxoplasma gondii calmodulin-like domain protein kinase isoform 3) : Ca^<2+>濃度依存性であり、哺乳類には相同遺伝子がなく、植物型のCDPKファミリーに属するTgCDPKif3に着目し、組換えバキュロウイルス系を用いて発現させた。また、TgCDPKif3の基質の候補分子として、glideosomeの構成する原虫蛋白質の1つであるaldolaseが見出された。TgCDPKif3はin vitroでaldolaseをリン酸化し、細胞内での両蛋白質の結合が確認された。 (2) マラリア原虫プロテインキナーゼ (1) PMK2 (Plasmodium falciparum calcium calmodulin-dependent protein kinase):小麦無細胞蛋白質合成系を用いて精製されたPPK2のキナーゼ活性が、Ca^<2+>,カルモジュリンに依存的であることが明らかとなった。次に、EGTA、カルモジュリン拮抗薬、Ca^<2+>/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼの阻害薬を使って、キナーゼ活性や赤血球侵入効率の変化について解析を行った。 (2) PfCDPK4 (Plasmodium falciparum calcium-dependent protein kinase 4):マウスマラリアでの相同遺伝子であるPbCDPK4をノックアウトすると雄性ガメトサイトの鞭毛放出能がなくなることから、PfCDPK4も雄性ガメトサイトの鞭毛放出に不可欠な役割を果たしていると考えられる。よって、哺乳類から蚊への移行による環境変化に対するpfCDPK4のキナーゼ活性の変化について解析を行った。
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