2007 Fiscal Year Annual Research Report
ジアミノホスフィンオキシド・多段階促進型触媒反応系を用いる革新的含窒素化合物合成
Project/Area Number |
18689001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
根本 哲宏 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (80361450)
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Keywords | 触媒的不斉合成 / 含室素化合物 / ジアミノホスフィンオキシド / 多段階促進型触媒反応 / パラジウム / イリジウム / リン配位子 |
Research Abstract |
本研究課題2年目の研究成果としては、初年度目の研究成果の延長として、キラル含窒素化合物の不斉合成検討を中心に、以下の点で進展が見られた。1)Ir-ジアミノホスフィンオキシド触媒系を用いるアリル位置換反応の開発を行い、本法を基盤とすることにより抗うつ病薬:パロキセチンの不斉合成へと展開した。2)α-アミノβケトエステル類を求核剤とするアリル位置換反応を利用した4級アミノ酸誘導体類の不斉合成法の開発を行い、種々の非天然型アミノ酸類の高エナンチオ選択的合成法の開発に成功した。3)含窒素キラル化合物の不斉合成研究としてデカヒドロキノリン類の不斉合成、及び人ガン細胞に対する細胞増殖抑制作用を有する天然物:タングトリンの不斉全合成検討を行っている。前者に関しては、両生類アルカロイド類の全合成研究を志向したモデル反応系の検討を行い、トランスデカヒドロキノリン骨格2位への立体選択的な置換基導入法の開発に成功している。また後者に関しては、初年度に開発したアザー森田-ベイリスーヒルマン反応生成物の高エナンチオ選択的合成法を鍵段階として利用した合成ルートを検討することで、本アルカロイドの基本構造となる5環性骨格を効率的に組み立てる手法を確立した。平成20年度の研究にて本天然物の初不斉全合成を達成することで、タングトリン類のケミカルバイオロジー研究にも展開して行く予定である。加えて、アスパラギン酸を出発原料とするP-キラルフェニルホスホンアミド誘導体の合成を行い、これらをキラルルイス塩基触媒とする不斉反応の開発に成功している。
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