2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質表面における膜相互作用部位の決定方法とその応用
Project/Area Number |
18689002
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
水口 峰之 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助教授 (30332662)
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Keywords | タンパク質 / 膜 / 相互作用 / NMR / 光CIDNP / MAP-LC3 / GABARAP |
Research Abstract |
本研究では、蛋白質と膜との間の弱い相互作用を検出する新しい手法を開発し、その手法を用いて細胞内の物質輸送蛋白質に応用し小胞輸送を分子レベルで解明する。本年度は以下の研究成果を得た。 1. MAP-LC3蛋白質の大量調整 膜と弱く相互作用する蛋白質のモデルとしてオートファジー関連蛋白質MAP-LC3を大量調整した。大腸菌BL21(DE3)を発現プラスミドで形質転換しMAP-LC3蛋白質を発現させた。従来の手法を用いて精製を行いNMR測定に用いた。 2.脂溶性色素を用いた光CIDNP測定条件の探索 光CIDNP効果を起こしS/N比のよいシグナルを得るためには、試料中の色素濃度を上げなければならない。本研究で用いる脂溶性色素は、界面活性剤であるdodecylphosphocholine(DPC)の濃度に比例して溶解するため、試料中のDPC濃度をできるだけ上げる必要がある。本年度は、MAP-LC3蛋白質を変性させないDPC濃度を決定した。その結果、DPCの濃度を20mM以上まで上げてもMAP-LC3は変性しないことがわかり、DPC中でCIDNPを起こす脂溶性色素も高濃度で溶解させることができた。 3. GABARAP蛋白質のNMR実験 MAP-LC3のホモログであるGABARAP蛋白質について^<15>Nラベル体、^<13>C/^<15>Nラベル体を調製した。HCCH-COSY、HCCH-TOCSY、^<13>C-edited NOESY等のスペクトルを測定し解析した。その結果、側鎖に由来するNMRシグナルの80%程度を帰属することができた。また、HisやTyrなど芳香族側鎖のシグナル解析も行った。
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