2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質表面における膜相互作用部位の決定方法とその応用
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18689002
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
水口 峰之 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30332662)
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Keywords | タンパク質 / 膜 / 相互作用 / NMR / 光CIDNP / MAP-LC3 / GABARAP |
Research Abstract |
本研究では、蛋白質と膜との間の弱い相互作用を検出する新しい手法を開発し、その手法を用いて細胞内の物質輸送蛋白質に応用し小胞輸送を分子レベルで解明する。 オートファゴソームに結合するMAP-LC3とdodecylphosphocholine(DPC)ミセルの相互作用を光CIDNP法を用いて研究した。MAP-LC3とDPCが共存する系で脂溶性色素を用いて光CIDNP実験を行うと、His86のε1プロトン、His86のδ2プロトン、およびTyr38のε1,2プロトンの位置で光CIDNP効果が認められた。その他には、His57のε1のシグナルについても弱い光CIDNP信号が観測された。それに対して、DPCが存在しない系では、His57,His86,Tyr38の信号に加えて、His27のε1とHis57のδ2に由来する光CIDNPシグナルも観測された。これらの結果から、MAP-LC3はHis86とTyr38の近傍でDPCミセルに結合していると予想された。また、NMRによる立体構造解析の結果、これらの二つの残基は立体構造上隣接していることもわかった。さらに、DPC結合状態でのMAP-LCについてもNMRによる立体構造解析を行い、90%以上のNMRシグナルを帰属することができた。 前年度に引き続き、MAP-LC3のホモログであるGABARAP蛋白質についてNMRシグナルの帰属を行い、従来の方法を用いて立体構造計算を行った。さらに、GABARAPとDPCの相互作用をHSQCによって追跡し、GABARAPのDPC結合表面を予測した。また、MAP-LC3と同様にGABARAPについても光CIDNP実験を行ったところ、N末端領域に位置するTyr残基の光CIDNPシグナルがMAP-LC3と異なっていた。
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[Presentation] タキプレシンIのDPCおよびLPSとの相互作用解析2007
Author(s)
杉田圭太郎, 神谷昌克, 大久保知行, 上島達郎, 島本怜史, 多々見文恵, 相沢智康, 水口峰之, 川端俊一郎, 出村誠, 河野敬一.
Organizer
第46回NMR討論会
Place of Presentation
札幌コンベンションセンター(札幌市)
Year and Date
2007-09-13
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