2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホスファチジルイノシトール二リン酸代謝系の生理的、病態生理的意義に関する研究
Project/Area Number |
18689003
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 雄彦 Akita University, 医学部, 教授 (50333365)
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Keywords | 貪食 / ホスファターゼ |
Research Abstract |
イノシトールリン脂質は生体膜構成成分であるのみならず、細胞内シグナル分子として機能する。本研究では、イノシトールリン脂質の中でも特に、イノシトール環水酸基に二ヶ所のリン酸化を受けたホスファチジルイノシトールニリン酸(PIP2) に着目した解析を行っている。PIP2の生成や分解を担う酵素(PIP2代謝酵素)の生理機能を紐解くとともに、ヒト疾患・病態の理解に繋がる知見を得ることを目的とする。PI(3,4)P2とPI(3,5)P2に特に焦点を絞り、解析を進めた。生理機能不明な酵素の研究に最も有用な方法の一っは、遺伝子欠損マウスの樹立と表現型解析である。今年度の研究では、PI(3,4)P2とPI(3,5)P2の代謝を司る酵素の遺伝子欠損マウスを多数樹立することができた。さらに、マクロファージの貪食応答制御について、PI(3,4)P2を産生するホスファターゼであるSrc homology 2(SH2) domain containing inositol-5-phosphatase 1 (SHIP1) (SHIP1)や72 kDa inositol polyphosphate 5-phosphataseが個別にもつ機能の観点から興味深い知見を得ることができた。さらに、PI(3,5)P2の生成を活性化するタンパク質の解析、イノシトールリン脂質ボスファターゼ活性を持ちながらも、その酵素活性とは非依存的に細胞内小胞の恒常性維持に関わる新規分子についての知見を得ることができた。
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