2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18689008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 貴司 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80415231)
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Keywords | 開口放出 / ホルモン分泌 / 全反射蛍光顕微鏡 / イメージング / 小胞輸送 |
Research Abstract |
Full fusion型、kiss-and-run型、そしてsequential型エキソサイトーシスを制御する因子の一つとして、カルシウムイオンが1つの候補に挙げられている。分泌顆粒膜上には、カルシウムイオンの濃度変化を感受するカルシウムセンサーが必要であると考えられており、カルシウムとリン脂質に結合するC2様ドメインを有するタンパク質ファミリーがこの役割を担っていると考えられている。そこで、ホルモン含有分泌顆粒のエキソサイトーシスにおける2つのC2様ドメインを持つDoc2Aタンパク質についての解析を行った。 全反射蛍光顕微鏡を用いて、カテコールアミンを分泌するPC12細胞に野生型Doc2Aとその変異体を過剰発現させ、エキソサイトーシス反応への影響を可視化解析した。Doc2Aには、N末端にエキソサイトーシス制御タンパク質であるMunc13と結合するドメインが、C末端に2つのC2様ドメイン(C2Aドメイン及びC2Bドメイン)が存在する。そこで、Munc13結合ドメイン欠損型(C2AB)、カルシウム結合ドメイン欠損型(DN)、C2Aドメインのみ(C2A)の3種類の変異体を作製し、それらのエキソサイトーシスへの影響を観察した。いずれの変異体を細胞へ遺伝子導入しても細胞膜にドッキングしている分泌顆粒の密度に差は見られなかった。一方で、Doc2A野生型、C2AB、そしてC2Aを過剰発現させた細胞では、エキソサイトーシス数が増加したが、DNを過剰発現させた細胞では減少した。しかしながらいずれの場合においても、ホルモン放出動態には何の変化も見られなかった。以上の結果から、Doc2AのC2Aドメインが膜融合、特にFull Fusion型エキソサイトーシスを制御していることが示唆された。
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Research Products
(8 results)