2006 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経性血管収縮感受性と中枢性血圧調節適応:遺伝的・後天的アプローチ
Project/Area Number |
18689009
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
増木 静江 信州大学, 医学研究科, 助手 (70422699)
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Keywords | 運動 / 筋血流 / α-アドレナリン受容体 / 血圧反射 / 脳波 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「遺伝的後天的なα-アドレナリン性血管収縮感受性の低下は、運動開始時の中枢性血圧調節反応を抑制する」という実験仮説をヒトおよびマウスを用いて明らかにすることである。 1)マウスを用いた実験: ・自発運動開始時の大脳皮質活動と圧反射ゲイン 慢性に大腿動脈カテーテル、頭蓋表面に脳波電極、さらに、大脳皮質運動野(付近)および大腿筋にレーザードップラー血流計プローブを、それぞれ留置したマウスにおいて、動脈血圧、脳波(theta/delta比)、脳血流、大腿筋血流を、自発行動時に測定した。また、マウスという非常に小動物での代謝測定にも成功し、夜間活動期には安静時であっても代謝量が上昇し、常に運動開始の準備状態にあることを明らかにした。 ・遺伝子改変マウスにおける検討 α-アドレナリン性血管収縮不全を呈するα_<1D>-アドレナリン遺伝子欠損マウス、圧反射性血圧調節がほぼ消滅しているV1aバゾプレシン遺伝子欠損マウスについても、上記と同様の実験を行えるよう京都大学の辻本豪三教授との共同研究を進めた。現在、これらのマウスを本大学に搬入するためのマウスのクリーン化が完了し、実験準備は万全である。また、これらのコントロールとして用いる129/SVとC57Black6の混血の野生型マウスはすでにクリーン化済みで、上記の実験を開始した。 2)ヒトを用いた実験: 中高年のスポーツ教室、「松本市熟年体育大学」の参加者470名を対象に、アドレナリン受容体の遺伝子多型が、1)運動時の中枢性血圧調節に与える影響、2)さらにその運動トレーニングへの効果を検討した。その結果、あるアドレナリン受容体の遺伝子多型で1)Arg/Argを有する参加者はGly/Glyと比較して、最大速歩時の心拍数が高い傾向があり、2)Arg/Argではトレーニングによる心拍数と最大酸素摂取量の上昇効果が亢進していることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)