2008 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経性血管収縮感受性と中枢性血圧調節適応 : 遺伝的・後天的アプローチ
Project/Area Number |
18689009
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
増木 静江 Shinshu University, 医学系研究科, 助教 (70422699)
|
Keywords | 運動 / 筋血流 / バゾプレッシンVla受容体 / 血圧反射 / Norepinephrine |
Research Abstract |
1. 本研究の目的は「血圧調節における下部および高次中枢の関与を短期、長期の両方の時間スケールで明かにすること」である。本年度は、vasopressinの中枢性作用について検討した。 2. Vasopressin Vla受容体欠損(Vla KO)マウスを用いた研究 (1) Norepinephrine (NE)の測定方法の確立 : Microdialysis法を用いて、小動物のマウスで腹腔内、および血中のNEを測定することに成功した。 (2) 低血液量時のNEの測定 : Vla KOマウスは、急性低血液量負荷時に、正常マウスと比較して、血圧が大きく低下するメカニズムを解明する目的で、血液量負荷時のNEを測定した。両群において、低血液量負荷時にNEは上昇したが、その反応はVla KOマウスでむしろ亢進していた。 (3) NEの24時間連続測定 : Vla KOマウスにおいて、夜間活動期の糖代謝の上昇が抑制されるメカニズムを解明する目的で、昼間と夜間のNEを連続測定した。両群において、夜間にNEは上昇し、その反応は群間で差がなかった。 3. ヒトを用いた研究 : 昨年度、中高年のスポーツ教室「松本市熟年体育大学」の参加者において、vasopressin Vla受容体のC/T多型に注目し解析したところ、初期体格指数と拡張期血圧は、CC群と比較してTT群で高いこと、この差はトレーニングにより消滅することを示唆する結果を得た。本年度、この所見が松本市以外の都市(上田市、伊那市、山形村、東京都日野市)にも当てはまることを明らかにした。
|