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2006 Fiscal Year Annual Research Report

神経因性疼痛原因分子リゾホスファチジン酸の産生と脊髄ミクログリア活性化機構の解明

Research Project

Project/Area Number 18689010
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

井上 誠  長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (60380987)

Keywords脊髄 / 脂質 / グリア / LPA1受容体 / リゾホスファチジン酸 / サブスタンスP / 可塑性 / 神経因性疼痛
Research Abstract

本研究者らはこれまでにリゾホスファチジン酸(LPA)が神経傷害性神経因性疼痛の原因分子であることを見出した。そこで、本研究において、神経傷害時に伴うLPA産生機構とその効果についてさらに検討を行った。これまでの解析からLPA作用領域が脊髄後角付近に限局していることから、LPA産生領域として脊髄後角が考えられた。そこで、マウス脳脊髄液中のLPA量を酵素法を用いて測定したところ、神経傷害後にLPA量の増加が観察された。さらに、マウスの後根神経付き脊髄スライス標本に対する薬物刺激後の培養上清をLPA1受容体発現培養細胞に適用し、その細胞形態変化を評価する高感度バイオアッセイ系を確立し、神経傷害時に認められる知覚神経の興奮を想定して一次知覚神経活性化作用を有するカプサイシンを適用した。その結果、LPAを培養細胞に適用した時に見られるのと同様な形態変化が観察された。また、サブスタンスPの適用によっても同様な形態変化が観察された。さらに、LPA合成酵素に対するアンチセンスオリゴの脊髄くも膜下腔内(i.t.)適用により神経傷害性神経因性疼痛の抑制が観察された。これら一連の解析から、神経傷害時にLPAの産生と遊離が生じている可能性が明らかとなった。一方、近年神経因性疼痛維持に脊髄のミクログリア活性化が関与することが報告されており、LPAのミクログリアに対する効果を検討した。LPAをi.t.適用した際、神経傷害様のミクログリア細胞の活性化が観察され、その特異的除去剤の適用によりその活性化と過敏現象が抑制された。さらに、培養ミクログリア細胞に対してLPAを適用したところ、Caイメージング法による細胞活性化、形態変化、ならびに種々の遺伝子変化が観察された。これら一連の解析から、LPAが脊髄において、ミクログリアを活性化し、神経因性疼痛維持に関わる機能的変調をもたらしている可能性が明らかとなった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Loss of spinal substance P pain transmission under the condition of LPA 1 receptor-mediated neuropathic pain.2006

    • Author(s)
      Inoue et al.
    • Journal Title

      Mol Pain 2

      Pages: 25

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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