2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ofut1によるNotch受容体の構造・機能の調節機構
Project/Area Number |
18689011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡島 徹也 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (20420383)
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Keywords | シグナル伝達 / タンパク質 / 糖鎖 / 発生・分化 |
Research Abstract |
発生段階の多くの細胞運命決定のステップに関与するNotch受容体は、約36個のEGFドメインからなるEGFリピートを細胞外領域にもち、その多くがO-フコースやO-グルコースを含むドメイン特異的な糖鎖修飾を受ける。本研究では、Notch受容体の糖鎖修飾に関わる糖転移酵素O-フコース転移酵素1(OFUT1)のNotch受容体の構造と機能に対する役割を理解することを主要な目的とした。これまでの研究より、OFUT1は、酵素活性以外にシャペロン活性を有しており、酵素活性非依存的にNotch受容体のEGFリピートのフォルディングを促進することを示した。本年度は、OFUT1の酵素活性もしくは、シャペロン活性いずれが、Notch受容体の機能に必須な役割をするかの検討を行った。OFUT1の非活性化型変異体とGMD変異体(GDP-フコースの生合成に異常)を用いて、OFUT1の変異体にOFUT1のシャペロン活性だけ回復させたところ、Fringeと似た表現型が観察された。このことより、OFUT1のシャペロン活性がNotch受容体の機能に必須であり、酵素潜性はNotch受容体には必要でないことが示唆された。また、OFUT1以外のNotch受容体の糖鎖修飾に関わる新たな因子をスクリーニングする過程で、新規の遺伝子を同定することに成功した。現在、酵素活性や細胞内局在などの生化学的解析、細胞生物学的な解析や、生物学的役割の解析を行っている。
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