2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規MHCクラスI受容体PIRによる感染炎症の制御機構の解明
Project/Area Number |
18689015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 晃 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (20344723)
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Keywords | 感染症 / 免疫学 |
Research Abstract |
研究目的:免疫グロブリン様受容体PIR (Paired Immunoglobuhn-like Receptor)による感染炎症の制御機構を明らかにする。 免疫グロブリン様受容体PIRはFcRγ鎖などITAM (Immunoreceptor tyrosine-based activation motif)配列を有する膜アダプター分子と会合して細胞に活性化のシグナルを伝達する活性化型PIR-Aと、ITIM (Immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif)配列を有し細胞内に抑制性のシグナルを伝達する抑制型PIR-Bからなるレセプターペアーである。申請者らの最近の成果により、骨髄球系細胞は、PIR-Bを介して標的細胞のみならず自己細胞上のMHCクラスI分子を認識し(cis-interaction)、細胞活性を制御していることが判明した。すなわち、細胞自身が、PIR-Bを介して恒常的に抑制シグナルを導入することで、自身の活性化閾値を制御していると考えられる。そこで本研究では、代表的な感染症である(1)細菌感染症と(2)ウィルス感染症の2つにおいてPIRの、特にPIR-Bによる炎症反応の抑制機構について検討する。 実験1:PIRによる細菌感染症の制御機構-LPS-TLRシグナルの制御機構1の解明 抑制型IgLRのTLRシグナルへの関与も不明である。そこで本年度は、PIR-B欠損マウス、そのリガンドを欠くMHCクラスI分子欠損マウス、さらにPIR-Aに会合するFcRγ欠損マウスより、DCを誘導・採取し、各種TLR刺激後のMHCクラスI分子発現、PIR-A/B発現を検討した。その結果、LPSおよびIFN-γ投与でPIR-Bの発現上昇を認めた。現在、マウスサイトメガロウィルスの投与実験を行っており、今後ウィルス感染におけるPIR-Bの機能を明らかにする予定である。
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