2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規MHCクラスI受容体PIRによる感染炎症の制御機構の解明
Project/Area Number |
18689015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 晃 Tohoku University, 加齢医学研究所, 准教授 (20344723)
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Keywords | 免疫学 / 感染症 |
Research Abstract |
研究目的:免疫グロブリン様受容体PIR(Paired Immunoglobulin-like Receptor)による感染炎症の制御機構を明らかにする。 免疫グロブリン様受容体PIRはFcRr鎖などITAM(Immunoreceptor tyrosine-based activation motif)配列を有する膜アダプター分子と会合して細胞に活性化のシグナルを伝達する活性化型PIR-Aと、ITIM(Immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif)配列を有し細胞内に抑制性のシグナルを伝達する抑制型PIR-Bからなるレセプターペアーである。申請者らの最近の成果により、骨髄球系細胞は、PIR-Bを介して標的細胞のみならず自己細胞上のMHCクラスI分子を認識し(cis-interaction)、細胞活性を制御していることが判明した。すなわち、細胞自身が、PIR-Bを介して恒常的に抑制シグナルを導入することで、自身の活性化閾値を制御していると考えられる。そこで本研究では、代表的な感染症である(1)細菌感染症と(2)ウィルス感染症の2つにおいてPIRの、特にPIR-Bによる炎症反応の抑制機構について検討する。 実験2:PIRによるウィルス感染症の制御機構- マウスサイトメガロウィルス実験に先立ち、ウィルスにふくまれるCpG-DNAにてサイトメガロウィスル除去に重要な役割を果たすプラスマサイト樹状細胞を刺激した。その結果、PIR-B欠損プラズマサイトイド樹状細胞は、野性型と比較してIFN-α産生が高値であった。現在リコンビナントPIR-Bタンパクの作製に成功したので、リコンビナント投与により、阻害効果がかかるか検討中である。
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