2007 Fiscal Year Annual Research Report
大膓がん細胞の悪性形質化を制御する新しい機能性RNAの解明
Project/Area Number |
18689018
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
近藤 茂忠 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40304513)
|
Keywords | VEGF / ノンコーディングRNA / 腫瘍抑制遺伝子p53 / 大腸癌 / RNAサイレンシング / 小分子RNA |
Research Abstract |
本研究では、VEGF遺伝子に内蔵された新規機能性RNAを新たに見出し、このRNAによる「p53腫瘍抑制経路」抑制の分子機構を解明することを目的とし、以下の研究成果を得た。 (1)VEGFmRNA5'UTRの600番目から879番目の塩基から成る、280塩基長の小分子RNAが、ヒトがん細胞株特異的に発現していることを明らかにした。 (2)この小分子RNAは正常型p53をもつがん細胞で高発現していた。 (3)VEGF小分子RNAとp53mRNAは、無細胞実験系でヘテロ二量対を形成できること、さらに細胞内においても複合体を形成していることを明らかにした。 (4)VEGF小分子RNAによるp53mRNAの分解誘導には、processing bodyの形成が必要であることを明らかにした。 (5)VEGF小分子RNAによるp53mRNAの抑制には、microRNA経路は関与しないことを明らかにした。 以上の結果から、mRNA遺伝子には新規の機能性RNAが内蔵されており、がん細胞の悪性形質化に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
|