2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18689021
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
杉本 昌隆 国立長寿医療センター, (研究所)・老化機構研究部, 室長 (50426491)
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Keywords | 脂肪細胞 / mRNA翻訳 / 転写因子 |
Research Abstract |
本年度の当該研究(脂肪細胞分化におけるHZFタンパク質の機能解析)のでは、特に分子レベルでの機能解析を行うことを目標とした。まずRNAiを用いて内在性のHZFタンパク質の機能を阻害した結果、HZF非存在下では3T3-L1細胞およびマウス胎生繊維芽細胞の脂肪細胞への分化が極度に抑制されることを見出した。分化のパラメータとして、OilRedOによる染色と細胞内のトリグリセリドの蓄積量についても測定し、両方の系で分化が著しく抑制されることを確認した。また脂肪細胞の分化には複数の転写因子からなるカスケードの活性化が必要とされるが、このうちHZFはC/EBPαの発現に重要な役割を果たしていた。しかしながらHZF非存在下においてもC/EBPαmRNAの誘導は正常に起こっており、転写後調節によってHZFがC/EBPαを制御することが示された。その後の解析結果により、HZFはC/EBPαmRNAの翻訳に必要な分子であることがわかった。複数の実験結果より、HZFタンパク質はC/EBPαmRNAと直接結合し、この結合がmRNA翻訳に重要な役割を果たしていることを示すことができた。またHZFタンパク質の変異体を用いた実験からRNA結合能が分化過程におけるC/EBPαの発現と脂肪細胞への分化に不可欠であることもわかった。年度の後半にはHZFノックアウトマウス(ヘテロ)を入手した。少なくともHZFノックアウトマウスから得た細胞でも培養系において脂肪細胞への分化に異常が認められ、RNAiによる実験結果を再現することができた。これらの現象について記述した論文を現在投稿準備中である。現在マウスのコロニーを拡大中であり、生体脂肪組織でのHZFの役割について解析を行っている。
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Research Products
(1 results)