2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18689021
|
Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
杉本 昌隆 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 老化機構研究部・代謝研究室, 室長 (50426491)
|
Keywords | 脂肪細胞 / mRNA翻訳 / 転写因子 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
平成19年度までに行った解析から、Hzfは培養系における脂肪細胞の分化に不可欠な因子であること、脂肪細胞分化過程においてHzfはC/EBP αmRNAの3'非翻訳領域に結合してその翻訳を正に制御すること、Hzfノックアウトマウスは脂肪組織の形態的異常は認められないこと、および末梢組織でのインスリン抵抗性が惹起されていることを見出した。平成20年度はまず、Hzfノックアウトマウスにおいてなぜ、インスリン抵抗性が見られるかについてその原因について検討を行った。生体にとって脂肪組織は余剰のエネルギーを蓄えるだけでなく、様々な生理活性物質(アディポカインと総称される)を分泌することにより、他の末梢組織でのインスリン感受性を決定する内分泌器官としての役割を持っている。当該年度においてはまず、内分泌器官としての脂肪組織の機能がHzf非存在下において影響を受けているかについて検討を行った。空腹時におけるHzfノックアウト、および野生型(コントロール)マウスの血中アディポカインについて、特に末梢組織のインスリン感受性を決定する上で重要な役割を果たすことが知られているアディポネクチンおよびレプチンについて調べた。その結果、Hzfノックアウトマウスでは野生型と比較して有意にこれら血中アディポカイン濃度が低下していることが明らかになった。したがってHzfノックアウトマウスで見られたインスリン感受性の低下には、脂肪細胞から分泌されるアディポカインの産生異常に起因している可能性が示唆された。平成20年度はこれら研究成果についてまとめた論文を国際誌に投稿し、受理されるに至った。また同年度は、Hzfの分子機能についてさらに詳細に検討するために、 Hzfタンパク質複合体を精製し、相互作用するタンパク質の同定を行った結果、複数のRNA結合タンパク質がHzタンパク質と複合体を形成していることを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)