2007 Fiscal Year Annual Research Report
総合失調症患者における脆弱性遺伝子ディスバインジンによる病態研究
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18689030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 亮太 Osaka University, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (10370983)
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Keywords | 総合失調症 / ディスバインジン / 遺伝子解析 / 認知機能 / WMS-R 記憶検査 |
Research Abstract |
統合失調症の脆弱性遺伝子は、統合失調症という疾患そのものの原因ではなく、中間表現型と呼ばれている統合失調症で障害が認められている高次認知機能や脳画像と強く関連し、その結果として統合失調症と関連すると考えられている。よって、統合失調症の中間表現型である高次認知機能や脳画像とディスバインジン遺伝子との関連を明らかにすることにより、その病態に迫ることができると考えられる。本年度は昨年度までに収集した700例の中間表現型とゲノムに加え、新たに統合失調症100例と健常者50例のゲノムと中間表現型のデータを収集した。中間表現型としては、WAIS-R成人知能検査、WMS-R記憶検査、簡便な知能検査であるNational Adult Reading Testの日本語版であるJapanese Adult Reading Test、性格傾向検査(TCI:Temparament and Character Inventory、SPQ:分裂病型人格障害評価尺度など)、プレパルス抑制テスト、そしてMRI画像(3次元構造画像、拡散テンソル画像:白質の神経線維の走行を反映すると考えられている)などを行った。記憶とディスバインジンの遺伝子多型との関連を検討した。統合失調症に対して保護的なディスバインジン遺伝子のハプロタイプを持たない健常者は、保護的なハプロタイプを持っ健常者と比較して、WMS-R記憶検査にて測定した記憶機能が有意に低かった。同じような傾向が、統計学的には有意ではないものの統合失調症患者においても認められた。さらに、統合失調症のリスクとは関連しないディスバインジンの遺伝子多型においても記憶との関連が認められた。この結果は、統合失調症のリスクとなるディスバインジン遺伝子の中間表現型は記憶機能であり、統合失調症のリスクとは独立に記憶に関与する遺伝子であることを示唆した。
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Research Products
(62 results)