2006 Fiscal Year Annual Research Report
膝レントゲンデジタル処理による変形性関節症の重症度定量システムの確立
Project/Area Number |
18689031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 敬之 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (60401064)
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Keywords | 変形性関節症 / レントゲン / コンピュータ診断支援 / データベース / 疫学 |
Research Abstract |
変形性膝関節症(膝OA)は、高齢者の健康寿命を短縮させる重大な疾患であるにも拘わらず、臨床症状と相関する診断基準が明確にされていない。この原因には診断に利用するX線画像を定量化する手法が確立していないことが挙げられる。そこでX線画像定量値を、全自動で出力するCAD(computer aided diagnosis)システムの開発を行い、現在着手している大規模住民コホート:ROAD(research on osteoarthritis against disabilityプロジェクトでのX線画像について検討を行った。 開発したシステムは立位にて撮影した膝関節正面X線画像をデジタル処理して、定量値を出力するソフトウエアである。このソフトウエアは1)デジタルフィルタによるノイズ除去2)皮質骨の輪郭線抽出3)輪郭線情報の統計処理と計測に使用する基準点の標準化、のアルゴリズムを利用して重症度指標に対する計測値を出力する。出力する項目は内・外側の関節裂隙の最小距離(mJSW)および面積(JSA)、内側の骨棘面積(OPA)、大腿脛骨角(FTA)である。大規模OA疫学プロジェクトROADの計3,039例のデータベースから、無作為抽出した50膝で、各重症度指標の計測を手動と本システムで行い、評価者間、評価者内の級内相関係数を求めて計測精度を検討した。この結果、手動計測での評価者間、評価者内級内相関係数はそれぞれ0.54〜0.72、0.62〜0.75であったのに対し、本システムではすべて1.00であり本システムが読影に対し高い再現性をもつことが分かった。今後は、本システムをROADの計3,039例のデータベース6,078膝全てに適用して、臨床症状とリンクする画像情報データベースを構築する予定である。
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Research Products
(6 results)