2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児用人工心臓のためのピボット式波動型人工心臓の開発研究
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18689034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 逸郎 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (80334225)
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Keywords | 螺旋流ポンプ / 回転式ポンプ / マグネットカップリング / トルコンポンプ / 血液ポンプ / 人工心臓 |
Research Abstract |
本研究は、小児心不全用治療デバイスの開発の一環として、小児用の人工心臓システムの開発を行うことを目的としており、本研究課題では小児用人工心臓として拍動流の生成が可能なポンプ本体の開発を行った。今年度はピボット軸受け構造を改良することで波動型ポンプ同様に拍動流の生成が可能なポンプである螺旋流ポンプの体内埋込可能なサイズへの小型化を行った。完成したポンプは直径43mm・厚さ15mmとなり、昨年度のポンプの3分の2以下のサイズで実現できた。ポンプの性能試験を行ったところ、回転数3200rpmのときに、生理食塩水では差圧100mmHgで1.71/min、33%グリセリン溶液では差圧100mmHgで1.31/minの出力が得られた。回転力の伝達にはリング状のネオジウム磁石を用いたマグネットカップリングを使用した。マグネットカップリングに関しては回転数が3200rpmでも脱調などは見られず、安定した駆動力の伝達が実現できていた。性能試験ではマグネットカップリングを用いて駆動したが、今回作製したポンプではリング状の磁石を用いているため、将来リング状磁石の内部に電磁石を置くことでモーター一体型のポンプとなり得る形状が実現できた。また、拍動流の生成が可能なポンプの基礎研究として、再生ポンプを発展させた形状を持つ、トルコンポンプに関しても研究を行った。ピボット支持機構のポンプを作製し性能試験を行ったところ螺旋流ポンプと比べて半分近くの回転数で同じ性能が得られた。トルコンポンプは原理的にピボット部分に荷重がかかるものの回転数が少ない分磨耗速度が低いと考えられるため、ピボットポンプとしては検討に値するポンプであることが判明した。
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