2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18689036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片岡 大治 京都大学, 医学研究科, 助手 (40359815)
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Keywords | 脳神経疾患 / 脳血管障害 / バイオイメージング |
Research Abstract |
平成18年度は、まず当科学研究費補助金で生態顕微鏡を用いて脳微小循環を観察する実験系のセットアップを行い、これまで文献上報告されている脳虚血後急性期の脳微小循環の観察を行い、これに成功した。全身麻酔を導入し、filament法を用いてMCA occlusionを作成し45分後にfilamentを除去することにより再潅流を行った。次に硬膜を保存するように頭頂部に2x2mmの骨窓を形成し、MCA潅流領域の辺縁部に相当する部分の脳表を硬膜を通して生体顕微鏡で観察を行った。この実験系ではこれまでの報告と同様、脳虚血後及び脳虚血-再潅流後にpenumbra領域において、白血球の血管内皮細胞上でのrollingやadhesionが増加することが観察された。従来から行われてきたこの急性期モデルでは、観察期間が虚血もしくは再灌流導入後の24時間以内に限定されるため、次に脳虚血慢性期の脳微小循環を観察する実験モデルの確立を試みた。具体的には、まず全身麻酔下にマウス頭頂骨を一部除去し、そこをcover slipで覆うことにより長期間にわたって観察可能な骨窓を作製する。虚血は動物を長期生存させるため、中大脳動脈近位部を硬膜上から10-0Nylonで結紮するdistal MCA occlusion法を行う。この慢性期モデルを確立させた後、脳虚血慢性期における、白血球-内皮細胞間相互作用及び血小板-内皮細胞間相互作用を観察する予定である。
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