2008 Fiscal Year Annual Research Report
外来刺激による顎堤骨吸収機構の解明と補綴処置前抑制法の開発
Project/Area Number |
18689046
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
牧平 清超 Hiroshima University, 歯学部, 准教授 (80304450)
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Keywords | 顎堤吸収 / 破骨細胞 / Na+ / K+-ATPase / RANKL |
Research Abstract |
平成19年度は, TRAF 1をマーカーとしてNa+/K+ATPaseの阻害剤が破骨細胞の分化を抑制し, 骨吸収を抑制する可能性を示した。この結果をもとに, 平成20年度は, Na+/K+ ATPaseの阻害剤であるouabainとvanadateが破骨細胞の分化を抑制するメカニズムについて詳細に検討した. 高濃度のouabainとvanadateはRAW 264.7細胞の細胞活性を抑制し, LDHの分泌を促進し,Caspase 3の活性には影響を与えなかった. 細胞活性に影響のない低濃度のouabainとvanadateは, RANKL添加によって増加するDC-STAMP mRNAの発現を抑制し, ERK1/2のリン酸化を抑制した. さらにRANKL添加に依存したTRAP陽性多核巨細胞の出現数を抑制した. P型ATPase famiyの中でNa+/K+-ATPase alpha 1の発現をRNAi法で抑制した場合, RANKLに依存したDC-STAMP mRNAの発現増強を抑制した. 以上より, 高濃度のouabainとvanadateはネクローシスを誘導したが, 細胞活性に影響しない低濃度のouabainとvanadateは破骨細胞の分化に抑制的に作用した. この過程にはNa+/K+-ATPase alpha 1分子が関与していることが示された. 従ってP型ATPase阻害剤は顎堤吸収を抑制し, またNa+/K+-ATPaSe alpha 1をターゲットとした新しい顎堤の骨吸収抑制法の可能性が本研究で示された.
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Research Products
(8 results)