2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規核小体DNAメチル化酵素複合体の機能解析と新たながん治療法への応用
Project/Area Number |
18689902
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村山 明子 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50431656)
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Keywords | 核小体 / がん治療 / クロマチン / DNAメチル化酵素 / rRNA |
Research Abstract |
1)DNMLによる核小体ゲノム構造の変化について 様々なヒストンテイル修飾抗体を用いてChromatin IP法を行ったところ、NMLはrDNA領域のヒストンH3K9ジメチル化修飾に特異的に結合することが明らかとなった。さらに、NMLのN末端領域にヒストンテイルが相互作用することが判明した。どのように、NMLが化学修飾特異的なヒストンテイルを認識しているのかについて、構造解析を用いて進めている。 2)NML相互作用因子との機能解析 NMLはSIRT1やSUV39H1と核小体で相互作用し、リボソーム合成を調節してATP消費系を制御していることを明らかにした。さらに、NMLはDNAメチル化酵素であるDnmt3bとも相互作用していることが明らかとなった。また、Dnmt3bはNMLタンパクの安定性に関与することが示唆された。一方で、癌細胞でのNML発現抑制株とNML過剰発現株では、足場依存的増殖に有意な変化があり、NMLの量が多いほど癌細胞の増殖が抑制されていることが判明した。癌細胞ではDnmt3bの発現量の増加が認められることから、癌細胞でのNMLとDnmt3bそして核小体との関係について解析を進めている。 3)NMLの核小体外部での機能解析 NML発現抑制株とNML過剰発現株を用いて、DNAマイクロアレイで発現量に差のある遺伝子をスクリーニングした。その結果、細胞周期や代謝に関わる遺伝子群に発現量の違いが認められた。実際にRT-qPCRでの確認、また、NMLが直接遺伝子発現量に変化を及ぼしているかを確認するため、クロマチン免疫沈降法を行っている。 4)NML遺伝子欠損マウスの作製とNMLトランスジェニックマウスの作製 NMLトランスジェニックマウスが完成したため、このマウスの解析を始めた。ガン化との関連や、ガン細胞のエネルギー代謝の変化、表現系の違いなどを明らかにしていく。
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[Journal Article] Epigenetic control of rDNA loci in response to intracellular energy status2008
Author(s)
Akiko Murayama, Kazuji Omori, Akiko Fujimura, Hiroshi Minami, Kayoko Yasazawa-Tanaka, Takao Kuroda, Shohei Oie, Hiroaki Daitoku, Mitsuru Okuwaki, Kyosuke Nagata, Akiyoshi Fukamizu, Keiji Kimura, Toshiyuki Shimizu, Junn Yanagisawa
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Journal Title
Peer Reviewed
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