2007 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板疾患感受性遺伝子CILPの機能解明に立脚したトランスジェニックマウスの解析
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18689903
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
関 庄二 University of Toyama, 大学病院, 診療助手 (00432112)
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Keywords | transgenic mice / CILP / 椎間板ヘルニア |
Research Abstract |
本年度(〜平成20年3月31日)の研究の成果 CILPトランスジェニックマウス用ののベクターは,軟骨特異的発現ベクターpNASSβ (COL11A2 promoter, IVS1)にCILP遺伝子を導入し,ベクターを作成した。作成したトランスジェニックマウス用vector3種類の内訳は(742mCILPInt (CILP遺伝子の上流にCol11a2 promoter-742〜0、下流にCol11a2 IVS1を組み込んだベクター)、453mCILPInt (CILP遺伝子の上流にCol11a2 promoter-453〜0,下流にCol11a2 IVS1を組み込んだベクター)、742mCILP (CILP遺伝子の上流にCol11a2 promoter-742〜0のみを組み込んだベクターで,下流にIVS1はない))である。このCILP遺伝子全長を組み込んだベクターを、マウスから採卵し、マイクロインジェクションによりこの遺伝子を導入した(日本SLCにて施行)。遺伝子が導入されたかどうかの確認はPCRにて施行した。PCRで遺伝子の導入が確認できたマウスのmRNAレベルの発現量の確認のために、尻尾より骨軟骨組織を一部採取し、そこからRNAを抽出し、real-time PCR法を用いて発現量の確認を行っている。さらにこれらのlineの維持、繁殖も同時に施行している。 CILPトランスジェニックマウスの表現型の解析は現在施行中であるが、解剖学的検討、組織学的検討を行っている。それぞれの作成したベクターごとで脊椎の椎間板変性に対する表現型の確認をマウスの脊椎MRIを用いて行った。(BioView社に依頼)結果は現在解析中であるが、トランスジェニックマウスの髄核の輝度がノーマルマウスに比べて有意に低下する傾向にあった。それぞれのベクター間での髄核の輝度については今後更なる解析を行っていく予定である。またそれぞれのマウスの骨格の評価をレントゲンで評価したが、明らかな違いは認めなかった。しかしながらトランスジェニックマウスの腰椎椎体高を測ると、トランスジェニックマウスにおいて椎間板高の減少が認められた。これらは椎間板変性に伴い、椎間板高の減少が進んだ可能性がある。同様に組織学的な評価(サフラニン-O染色)をマウスの腰椎の組織を用いて行ったところ、トランスジェニックマウス群において髄核内のサフラニンの染色性がコントロール群に比較して有意に低下していた。同様に染色領域(面積)評価でもトランスジェニックマウス群において有意に低下していた。今後は更なる表現型の解析をしていく予定である。またトランスジェニックマウスの髄核細胞を取り出し、軟骨分化能などの検討も予定している。
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