2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規Akt基質Girdinとそのファミリー分子の腫瘍浸潤および発生における役割
Project/Area Number |
18689904
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榎本 篤 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (20432255)
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Keywords | Girdin / Akt / Daple / アクチン / 細胞骨格 / Wnt / 細胞浸潤 / 細胞運動 |
Research Abstract |
本研究の目的は新規Akt基質「Girdin」およびそのファミリー分子群(「Daple」および「FLJ00354」)の発生における機能を解明するとともに、悪性腫瘍の進展・浸潤における意義を様々な組織型由来の腫瘍細胞を用いて個体レベルで解明することにある。今年度は以下の実験を行った。 1.GirdinおよびDapleの遺伝子改変マウスの作製 今年度はGirdinのターゲッティングベクターを作製後、組換えES細胞を樹立し、最終的にホモのノックアウトマウスを得た。現在までにGirdinのノックアウトマウスは生後の成長過程に障害を伴い、生後3-4週以内にほぼ全てのノックアウトマウスが死亡することが判明した。現在その詳細な死因および病態について検討中である。 2.腫瘍細胞の浸潤・転移におけるGirdinの役割の検討 ヒトの悪性腫瘍由来の細胞株A431、MDA-MB-231およびHeLaにおけるGirdinの発現抑制株をレトロウイルスベクターによるshRNAを用いて作成した。これらの細胞株の浸潤能におけるGirdinの機能をin vitro invasion assayで検討した結果、Girdin発現抑制株では有意に細胞の浸潤能が低下していることが明らかとなった。 3.神経細胞の分化におけるGirdinの役割の検討 Girdinが中枢神経系に発現していることを免疫組織法を用いて確認した。ラット海馬神経細胞においてGirdinをshRNAによりノックダウンしたところ、神経細胞の突起形成および極性決定が阻害されることを確認した。以上の結果より、Girdinは神経の分化、特に樹状突起形成や軸索形成において重要な働きを有していることが示唆された。
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