2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規Akt基質Girdinとそのファミリー分子の腫瘍浸潤および発生における役割
Project/Area Number |
18689904
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榎本 篤 Nagoya University, 高等研究院, 特任講師 (20432255)
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Keywords | Girdin / Akt / Daple / アクチン / 細胞骨格 / Wnt / 細胞浸潤 / 細胞運動 |
Research Abstract |
本研究の目的は新規Akt基質「Girdin」およびそのファミリー分子群(「Daple」および「FLJ00354」)の発生における機能を解明するとともに、悪性腫瘍の進展・浸潤における意義を様々な組織型由来の腫瘍細胞を用いて個体レベルで解明することにある。今年度は以下の実験を行った。 1.GirdinおよびDapleの遺伝子改変マウスの作製 昨年度までにGirdinのノックアウトマウスを作成し、同マウスは生後3-4週以内に死亡することを明らかにした。今年度は初代培養の血管内皮細胞およびマウスの網膜検体を用いた解析により、Girdinノックアウトマウスでは生後の血管新生が障害されていることを明らかにした。Dapleのノックアウトマウスについても現在表現系を解析中である。 2.腫瘍細胞の浸潤・転移におけるGirdinの役割の検討 ヒトの悪性腫瘍由来の細胞株A431、MDA-MB-231およびHeLaにおけるGirdinの発現抑制株を昨年度までに作成した。今年度はこれらの細胞株の浸潤能および転移能が野生株に比較して著明に低下していることをin vitroおよびin vivoの解析系を用いて証明した。 3.神経細胞の分化におけるGirdinの役割の検討 Girdinノックアウトマウスの詳細な組織学的解析により、中枢神経系の発生には大きい影響はみられないものの、成体における神経細胞の新生と分化が障害されていることが明らかとなった。具体的には嗅球の神経細胞の分化と海馬歯状回における神経細胞新生が障害されていることが明らかとなった。現在その分子機構について解析を進めている。
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