2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンテンツ提供者のプライバシを保護したコンテンツ売買システムに関する研究
Project/Area Number |
18700010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡村 真吾 大阪大学, サイバーメディアセンター, 特任助手 (50423132)
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Keywords | 暗号 / プライバシ保護 / コンテンツ保護 / C2C |
Research Abstract |
本研究では、個人間のディジタルコンテンツ売買を想定し、コンテンツ提供者及びコンテンツ購入者双方に対するプライバシ保護と不正行為の抑止を両立しているコンテンツ売買システムを考案することを目的としている。本年度は、個人間ディジタルコンテンツ売買システムの設計及び安全性の理論的評価を行い、基本売買システムの試作を開始した。まず、基本的な個人間ディジタルコンテンツ売買システムの形態として、売買サービス提供者が売買を仲介する形態を想定し、売買システムに要求される二つの安全性要件、プライバシ保護と著作権保護、を明確にした。ここでプライバシ保護は、コンテンツ購入者の匿名性、コンテンツ提供者の匿名性、及びコンテンツ購入者とコンテンツ提供者のリンク不可能性の三つから成り、著作権保護は、不正者の追跡可能性及び正直な参加者の保護の二つから成る。次に、これらの安全性要件を満たすための条件を明確にして、条件を満たす個人間ディジタルコンテンツ売買システムを設計し、設計したシステムが安全性要件を満たしていることの証明を与えた。ここで、安全性要件を満たすための条件は、コンテンツを入手した参加者が特定できるようにするためにコンテンツに埋め込む情報を、コンテンツを受け取る参加者が生成すること、情報の埋め込み処理においてどの参加者も他の参加者が生成した埋め込み情報や得たコンテンツを入手できないこと、コンテンツ提供者と第三者が協力しない限りサービス提供者の情報を抽出できないこと、の三つである。さらに、設計したコンテンツ売買システムの試作として、ノートPCおよびPDAをコンテンツ提供者およびコンテンツ購入者と見立て、基本的な売買システムの構築を開始した。本研究の成果は、国際会議発表1件、国内発表1件において公表した。
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