2006 Fiscal Year Annual Research Report
書き換え可能ハードウェアを用いたタイルフォールトトレラント手法の実現
Project/Area Number |
18700041
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 佳樹 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (30373377)
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Keywords | ディペンダブル / 耐故障 / FPGA / 書換え可能LSI / 部分回路書換え |
Research Abstract |
システムを構成する集積回路について考えた場合,この部分の損傷は他の部分以上に致命的な影響を与えることが多い.このためシステムの信頼性向上では集積回路の耐故障性向上が重要であり,ソフトウェアのエラーだけでなく,ハードウェア的な損傷についても議論を行う必要がある.そこで本研究提案では,ディペンダブルコンピューティングを意識した,受動的な耐故障性の向上(モジュールの多重化と多数決によるエラーの低減)と能動的な耐故障性の向上(損傷モジュールの切離しと正常動作する回路の動的な生成)を組み合わせたタイルフォールトトレラント手法について提案した. 集積回路システムに誤動作・故障を引き起こす主な原因の一つとしては,宇宙線・太陽風及びα線などの放射線による影響が広く知られている.この放射線に影響に対する研究結果は数多く発表され現在までに多くの成果をもたらしている.しかし一方で,すべての放射線から集積回路システムを守るのは非常に難しく,また特殊環境下における面積単価は非常に高いため,冗長化構造による受動的な耐故障性の向上にも限界があることが知られている.そこで,タイルフォールトトレラント手法では能動的な耐故障性向上手法を取り入れることで,以上の改善を図っている.具体的には,FPGAの構造を考慮した,タイルと呼ばれる細かいユニットを基本単位とした回路再構成を用いることで故障部分の修復を行うことである.また,本提案手法のもう一つの特徴として,スペアをあらかじめ用意するのではなく故障した段階で正常な回路を能動的に複製することにより,システムの冗長性及び面積使用効率などを従来手法より高めている点を挙げることができる. 以上のように本提案では回路再構成機能を用いることで使用面積に対する効率の向上を図っており,これらの知見は,ReConFig2006, EWME2006, AHS2006,の国際学会及びSWoPP高知2006などの国内の研究会で報告を行った.
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