2007 Fiscal Year Annual Research Report
投機技術を積極的に利用するチ・プマルチプロセッザに関する研究
Project/Area Number |
18700042
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉瀬 謙二 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (50323887)
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Keywords | チップマルチプロセッサ / 投機技術 / マルチコア |
Research Abstract |
速度と消費電力とのトレードオフに注目しながら,投機技術を積極的に利用するチップマルチプロセッサの方式を検討することを本研究の目的としている. 本年度は,スカラプロセッサのサイクルレベルのプロセッサシミュレータの改良をおこなった.またこれらを拡張してチップマルチプロセッサの性能評価のためのシミュレータを構築した. マルチプロセッサに適した投機技術の一つとして,従来はハードウェアでおこなっていた分岐予測をソフトウェアで実現するソフトウェアの性能改善に取り組んだ.特に,複数の予測手法の適応可能性について検討し,個別の分岐命令毎に予測手法を変更することで予測精度を改善できることを明らかにした. チップマルチプロセッサ時代のコアの利用法の一つとして,ソフトウェアによりキャッシュを実現するキャッシュコアと呼ぶ技術を提案・評価をおこなった.シミュレータを駆使して,プロセッサ内部の通信レイテンシを変化させて提案方式を評価することにより,キャッシュコアの可能性を明らかにすることができた.この他にも,動的に計算のための投機能力を変更することを目指したコア・フュージョン機構の検討を提案した.これは,比較的小規模な投機能力を持つ幾つかのプロセッサコアが動的に融合することで,必要な場合には強力な投機的能力を持つコアとして振る舞う仕組みを導入するものである.シミュレータを用いて提案方式の性能を評価して,初期的な結果を得ている.
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